ステロイドに対してあまり良くないイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?
ステロイドは、正しく使用することで本来の効果を発揮します。
この記事では、脂漏性皮膚炎にステロイドをどのように使用していくのかなどを説明していますので、どうぞご覧ください。
脂漏性皮膚炎に処方されるステロイドとその効能は?
脂漏性皮膚炎の治療では、ステロイド外用剤を処方されることがあります。
ステロイド剤と言えば、効き目が強くて副作用もあり、怖いイメージを持っている方もいらっしゃるようです。
ただ、ステロイドは、もともと私たちの体内でも作られているホルモンでもあります。
副腎で生成され、ストレスから身を守る働きもします。
ここでは、脂漏性皮膚炎で処方されるステロイドの効能についてご紹介していきます。
ステロイドの効能について
ステロイド外用剤は、炎症を鎮め、かゆみを抑えるのに効果があり、脂漏性皮膚炎以外にも、アトピー性皮膚炎での治療にも用いられています。
ステロイドには即効性があり、短期間で効果を実感できます。
症状や個人によっても異なりますが、数日から1週間で効果が現れてくるようです。
ステロイド外用剤は使用が長期間(2週間程度)になってくると
- ニキビができやすくなる
- 皮膚が薄くなる
- 症状が悪化してしまう
などの副作用も現れます。
ステロイドによって免疫が抑えられる分、ニキビなどの感染症にかかりやすくなってしまうのです。
自己判断での使用はかえって悪化を招くことにもなりますので、1週間経っても効果を感じられない場合は、医師による診察を受け、相談することが望ましいです。
ステロイドは、脂漏性皮膚炎の症状の原因となっている真菌を抑える効果はなく、そのものを治すための薬ではありません。
原因菌を取り除くための薬は他にあります。
症状の重さによっても変わりますが、ステロイド外用剤で炎症を抑え、抗真菌剤を用いて原因の菌を取り除いていく、という治療法が一般的です。
怖いイメージもあるステロイドですが、使用法を守って正しい使い方をすれば、炎症を抑えて脂漏性皮膚炎の治療に良い効果をもたらします。
- “症状がひどい” ときに “ひどい箇所” へだけ塗る
- 長期間の使用はしない
このくらいを守っていればステロイドを使用することは問題ありません。
炎症が起こる理由
皮膚や頭皮に炎症が起こる理由ですが、私たちの体には、刺激から身を守るための免疫システムという働きがあります。
異物を察知すると、免疫細胞によってそれに対する攻撃が始まります。
異物に対する攻撃が過剰となって、自分の体を傷つけてしまうこともあり、それが炎症という形で現れることもあります。
脂漏性皮膚炎では、真菌というカビが好物としている皮脂によって異常繁殖し、それが原因となって炎症を起こし、かゆみや痛みなどの症状が現れます。
かゆみを我慢するのは難しく、とてもつらいですよね。
皮膚科での脂漏性皮膚炎の治療法
脂漏性皮膚炎になってしまった疑いがある場合は、まずは皮膚科で医師の正しい診断を受けましょう。
そこからが治療のスタートです。
医師に脂漏性皮膚炎と診断されてから正しい方向での対処をしていきましょう。
脂漏性皮膚炎に似た症状の病気(ニキビ、アトピー等)も存在しますので、そのような場合ですと、対処法が変わってきてしまいます。
なので、まずは医師の診断を受け、自分がどういった状態なのかを知ることから始めましょう!
脂漏性皮膚炎の皮膚科での治療は?
治りにくい皮膚炎として知られている脂漏性皮膚炎。
症状が出ていても、ニキビの症状と似ているということもあって、脂漏性皮膚炎とは思わず放置してしまい、悪化するケースも実際に多いです。
フケやかゆみ、炎症で気になっている方は、早めに皮膚科を受診されることをおすすめします。
でも、「脂漏性皮膚炎の治療って何をするんだろう?」と気になる方のために、皮膚科での脂漏性皮膚炎の治療方法や、処方される薬についてご紹介します。
脂漏性皮膚炎の治療では、症状によって内容、順番は変わりますが、
主に薬物療法や生活習慣の改善、スキンケアの見直しを行います。
薬物療法
皮膚科での脂漏性皮膚炎の治療の際に処方される薬がこちらです。
- ステロイド外用剤
- 抗真菌剤
- ビタミンB2・B6内服剤
症状が重い場合には、先に炎症を抑えるために、ステロイド外用剤の処方があります。
ステロイド外用剤は、皮膚の炎症を抑える効果があり、即効性があります。
顔や体用の軟膏タイプ、頭皮用のローションタイプがあります。
症状が軽い場合や、炎症が治まってからは抗真菌剤を使用して、脂漏性皮膚炎の原因となる菌を抑えていきます。
また、ビタミンB2やB6が不足すると、症状が悪化することがありますので、ビタミン剤の処方がある場合もあるようです。
生活習慣の改善指導
脂漏性皮膚炎は、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れが原因となる、または症状を悪化させますので、生活習慣の改善の指導もあります。
- 規則正しい生活を心がける
- 食生活を見直す(ビタミンBを多く含む食材を食べるなど)
- 刺激物をとらない(コーヒーや糖分、アルコールなど)
などの指導がされるようです。
スキンケアの見直しアドバイス
脂漏性皮膚炎の症状の改善には、皮膚を清潔に保つことが大事になりますので、適切なスキンケアで症状の改善を目指します。
原因となる真菌が、皮脂を好むので、1日2回の洗顔や、毎日のシャンプーで、余分な皮脂を取り除きます。
抗真菌剤が配合されたシャンプーやボディソープなども有効です。
まとめ
今回は、脂漏性皮膚炎の皮膚科での治療法や処方される薬についてご紹介させて頂きました。
症状がひどいときやかゆみがおさまらないときに特効薬的にステロイドを使用するのは問題ありませんが、長期間の使用は肌本来の強さが弱くなってしまうので、やはりたまに使用する程度が正しい使い方になります。
ステロイドである程度症状が落ち着いたら、医師の指導のもとにビタミン剤や抗菌剤、かゆみや炎症がひどい場合には抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤等の飲み薬を処方してもらって体の内部からの治療に移っていくのが良いですね。
放置ではなかなか治らず、慢性化してしまうことも多い脂漏性皮膚炎。
同じ症状で悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。
症状の度合いにもよりますが、再発も多く、長期的な治療が必要になることもありますが、専門の方に相談をしながら適切な治療と習慣の見直しを行えば、症状は改善していきます。
気になる症状が出たら早めに病院で見てもらうことが大切ですね。
刺激を避けるために頭皮に良いシャンプーを使用することも重要ですので、気にされていない方はこちらの記事も合わせて読んで、脂漏性皮膚炎の知識を増やしていってください。