脂漏性皮膚炎になったら、もうボリュームのある髪に戻るのは難しいと思っていませんか?
いいえ、そんなことはありません。脂漏性皮膚炎は、正しい頭皮ケアを行っていれば抜けた毛がまた生え、復活する可能性があるのです。
今回は脂漏性皮膚炎のメカニズムと、抜け毛を回復する様々な方法やシャンプーのよる予防法について色々と紹介したいと思います。
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目次
脂漏性皮膚炎で抜けた毛は復活する?また生えてくるの?
脂漏性皮膚炎になった場合、AGAとは違い回復することがあります。
脂漏性皮膚炎は文字通り皮膚炎で、AGAのように男性ホルモンが原因で起こるものではないので、皮膚炎を完治させることができたら頭皮も徐々に回復していきます。
「長い間、脂漏性皮膚炎を放置してしまった」という人で、脂漏性皮膚炎がかなり深刻な状態になっている場合は、皮膚科を受診し専門家に診てもらい、頭皮の炎症を抑えることから始めましょう。
その後、頭皮のカビを減らすために、抗真菌剤などの薬を処方してもらうことをお勧めします。
そうしていくことで、少しずつ抜け毛も改善していくはずです。
また、頭皮のかゆみが特にひどい場合は、抗真菌剤以外にも抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を処方してもらえることもあります。
その他にも、頭皮のかゆみ対策にビタミン剤を処方されることもあります。
何故かというと、ビタミンBには頭皮から分泌される皮脂を抑制する働きがあるからです。
このような治療を積み重ねていくと、人によりますが、脂漏性皮膚炎は改善していきます。
脂漏性皮膚炎が改善していくと、頭皮環境がどんどん良くなり炎症もなくなっていきます。
炎症が治っていくと頭皮にしっかりと栄養が運ばれるようになり、抜け毛が減って髪も健康的になっていくでしょう。
また、頭皮の治療だけではなく、日頃の生活習慣も改善していくことも大切です。
暴飲暴食が続いていたりすると、髪にきちんと栄養が行き渡らず、抜け毛の改善も難しくなります。
頭皮の治療に加えて、バランスの良い食事を摂ることがポイントになっていきます。
特に髪はケラチンなどのタンパク質で主に作られているため、肉や魚、卵など豊富なタンパク質を食事に取り入れるように心がけましょう。
栄養の行き届いたしっかりとした髪質に変えることも、抜け毛を減らすことにつながります。
毎日きちんと頭皮のケアを行えば脂漏性皮膚炎は改善し抜け毛も減っていきます。
しかし反対に放っておくと抜け毛の進行が進んでしまうことがあるので、若ハゲになってしまうケースも・・・
脂漏性皮膚炎の抜け毛が進行すると若ハゲになることも…。
脂漏性皮膚炎を甘くみてはいけません。
生活習慣の改善や頭皮の治療をせずにいると、頭皮のカビが繁殖してしまいどんどん抜け毛が増えていってしまいます。
頭皮のカビはマラセチアと呼ばれる常在菌ですが、このマラセチアは頭皮の皮脂が過剰になると繁殖力が高まっていきます。
このマラセチアの異常繁殖を抑えることが、若ハゲを防ぐ秘訣なのです。
先ほどは、医師に相談して治療してもらったり、食生活を見直すことが大切だと書きましたが、それ以外にも重要なのが「睡眠サイクルの改善」です。
仕事やプライベートなことでも、若い人は体が動く限りついつい無理をしてしまいますが、それは頭皮にとってかなりダメージになります。
脂漏性皮膚炎の完治を目指すなら、肌の再生能力を高めなければいけません。そして、その再生能力が最も高くなる時は寝ている時なのです。
人は睡眠時に肉体を再生し、新しい細胞を作り続けています。
理想的な睡眠時間は約6~7時間と言われています。
毎日きちんとこのぐらい寝ていますか?なかなか寝る時間が取れない、という人も、なるべく睡眠時間を確保することを心がけてください。
睡眠をしっかりと摂っていないと、いくら頭皮の治療を行っても、食事のメニューを変えても、思ったような効果は出ないでしょう。
自分の体の再生能力を高めることは、それだけ重要なのです。
また、睡眠の質を高めることも若ハゲ対策につながります。
いくら長い時間寝ていても、眠りが浅いと体が回復しにくくなってしまいます。
睡眠の質を上げるコツは、寝具を常に清潔にし、自分に合ったものを使うことです。
シーツや布団カバー、枕カバーをこまめに洗い、常に清潔に保つようにしましょう。
枕や布団は天気の良い日に干して殺菌するようにしてください。
清潔な寝具で寝ることで脳がリラックスして、質の良い眠りをとることができます。
眠りだけではなく、寝具を清潔にしておくと頭皮に他の雑菌が繁殖するのを防ぐことができます。
このような工夫をすることで、脂漏性皮膚炎の重症化を防ぎ、若ハゲ対策ができるはずです。
脂漏性皮膚炎で抜け毛が起こるのはなぜ?
脂漏性皮膚炎になると、頭皮にカビが大量発生している状態が続きます。
カビは酵素リパーゼという物質を分泌しますが、この酵素リパーゼは消化酵素の一つで主に脂肪を消化する役割を持っています。
これだけ聞くとなんだか良さそうですが、この酵素リパーゼが脂肪を分解した後、脂肪は遊離脂肪酸やグリセロールといった成分に変わります。
遊離脂肪酸は頭皮を刺激してしまう成分なので、カビが頭皮に多ければ多いほど遊離脂肪酸も頭皮中に増えてしまいます。
遊離脂肪酸によって頭皮が刺激されると、頭皮全体が炎症を起こすようになります。
炎症が起きるのは、白血球が頭皮に存在する細菌を殺菌しようと活性酸素を作り出したためで、この状態が続くと頭皮の新陳代謝が悪化してしまい、最終的に頭皮が硬化し抜け毛が起きてしまうのです。
最悪の場合、放置しておくと毛が一気に抜けてしまうことも・・・。
さらに、頭皮のカビと皮脂が毛穴の奥に入り込んでしまうと、毛根の周りが炎症を起こしてしまいます。毛根の炎症が続きダメージになっていくと、より一層抜け毛が増えてしまうのです。
「ちょっとフケやかゆみが出ているだけ」と放っておかず、早めの対策を考えることが大切なのです。
また、フケが出るからといって、必ずしも頭皮が汚れているとは限りません。
「フケが出てしまうのは洗い方が足りないせいだ」と思い込み、ゴシゴシ頭を洗ってしまうとかえって症状を悪化させてしまいます。
実際に、脂漏性皮膚炎になっていると気付かず、汚れていると勘違いして頭皮を刺激した結果、抜け毛が大量に出るようになってしまったケースもあるそうです。
フケやかゆみ=頭皮が汚い、頭皮が脂っぽいせいだ、と決めつけずに、脂漏性皮膚炎かもしれないと思って自分の頭皮の状況を見直してみることも大切です。
脂漏性皮膚炎の抜け毛とAGAの違いって?
脂漏性皮膚炎もAGAも、どちらも毛が抜けることには変わりありませんが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、脂漏性皮膚炎はフケやかゆみなどの症状が出て抜け毛が起きてしまうものですが、AGAの場合はそういった症状が出ることはありません。
AGAの抜け毛は、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが影響しています。
そもそも髪には成長期・退行期・休止期という3つのヘアサイクルがあり、このサイクルが正常に機能することによって髪が生え変わります。しかしジヒドロテストステロンの働きによってヘアサイクルが乱れると、生え変わりがうまくいかなくなり、薄毛になってしまうのです。
テストステロンという男性ホルモンは有名です。
テストステロンが還元酵素・5αリダクダーゼによって変換されるとジヒドロテストステロンになるのです。
つまりAGAは、この厄介な男性ホルモンの影響で薄毛になるもので、頭皮の炎症によって起きる脂漏性皮膚炎とは異なります。
このように、脂漏性皮膚炎とAGAは似ていますが、症状や抜け毛が発生するメカニズムは違う点があります。
しかし時折、脂漏性皮膚炎とAGAが同時に発症しているケースもあります。
脂漏性皮膚炎により大量発生したカビがジヒドロテストステロンを刺激してしまい、より大量に抜け毛が出てしまうのです。
脂漏性皮膚炎とAGAは異なる症状を持っていますが、お互いに影響しあい抜け毛を増やしてしまうこともあるのです。
このような場合は、脂漏性皮膚炎とAGAの両方の症状を抑えるように頭皮のケアを行う必要があります。
特にAGAは自然に治癒することはないと言われているので、専門家の指導の元頭皮のケアを行う必要があります。
放置しておくとどんどん症状が悪化してしまうので、AGA治療を受けない限りずっとジヒドロテストステロンによって抜け毛が起こります。
また、AGA治療を「もうそろそろやめてもいいか」と途中でやめてしまった場合も同様です。AGAになってしまったら、継続した治療が必要になってきます。
脂漏性皮膚炎は早めの対策が重要!今すぐシャンプーで抜け毛予防しよう!
脂漏性皮膚炎になっていると気付いたら、早めに頭皮のケアを行いましょう。
すぐにでもできる脂漏性皮膚炎対策は、シャンプーを見直すことです。
シャンプーはなるべく界面活性剤を使っていないものをお勧めします。
界面活性剤は洗浄力が強いため頭皮に刺激を与えてしまう可能性があります。特に敏感肌の方は肌荒れを起こしやすくなります。
また、洗浄力が強すぎると頭皮の常在菌を殺しすぎてしまい、外部からの雑菌が入ってくるので注意しましょう。
代表的な界面活性剤はラウリル硫酸Na、ジステアリン酸エチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどがあります。
こういった名前の界面活性剤が配合されているシャンプーは、脂漏性皮膚炎を悪化させてしまうことがあるので、なるべく使用を控えるようにしてください。
オススメなのは、アミノ酸シャンプーです。アミノ酸は私たちの体を構成しているタンパク質の原料でもあるので、体も抵抗がなく、刺激の少ないシャンプーとなっています。
石鹸シャンプーも天然成分で作られているので体には優しいですが、意外にも洗浄力が強く弱アルカリ性なので、人によっては頭皮に刺激を与えてしまう可能性があります。
そのため、アミノ酸シャンプーを使って頭皮をケアするのが良いのです。
シャンプーの仕方も大事!
脂漏性皮膚炎を改善するためには、シャンプーの仕方も工夫する必要があります。
いきなりシャンプーを頭皮に付けず、まずはお湯で髪を洗い流しましょう。
これだけでも汚れの70%程度の雑菌は落とせると言われています。頭皮に刺激を与えないよう、熱すぎない温度(推奨は38度)に調整してください。
しっかりとお湯で流してから、シャンプーを頭に塗布しましょう。
この時注意したいのが、髪の毛を洗うというより、頭皮を揉み込むように洗うのがポイントです。
頭皮が傷ついてしまうので、絶対に爪を立てないようにして、指の腹でマッサージするように洗ってください。
この時、もし頭皮に炎症がある場合は、炎症のある部分は無理に洗おうとせず、なるべく刺激を与えないようにしましょう。
炎症のある部分は、お湯をかけるだけでもOKです。
その後のすすぎは、できるだけ丁寧に洗いましょう。
脂漏性皮膚炎には、髪を洗うことよりもすすぎが大切だと言われています。
流しきれなかったシャンプーが頭皮にべったりついたままだった、なんてことにならないように、念入りにすすぎを行ってください。
大体のすすぎの時間の目安は、シャンプーで洗う時間の約2倍です。
この時、風呂桶などで大量のお湯で一気に流すより、シャワーで流す方がしっかりと洗えます。
最後に、髪をバスタオルで拭く時はあまりゴシゴシと拭かないようにしましょう。
タオルの繊維で頭皮を刺激してしまう可能性があります。
髪を乾かす時の注意点ですが、なるべくドライヤーを頭皮に近づけないようにして、温度を調節できるのならあまり高温に設定しないようにしましょう。
余裕があれば「低温ドライヤー」を使うこともお勧めです。
まとめ
脂漏性皮膚炎は、きちんとした頭皮のケアを行っていれば必ず改善します。
そうすればおのずと抜け毛も回復していくでしょう。
一番の近道は、正しいシャンプーを選び、シャンプーの仕方をマスターすることです。
なるべく頭皮に刺激を与えないよう、丁寧に洗うことを常に心がけてください。
ハゲてしまってから後悔しないように、毎日のシャンプーで脂漏性皮膚炎も抜け毛もどちらも予防しましょう!
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